コナダニってどんな虫?
コナダニはダニの仲間ではありますが、ハダニ類とは違った性質を持っています。
違いは気門の有無。コナダニには気門がないので、通常の気門封鎖型のダニ剤が効きません。
コナダニはダニの仲間ではありますが、ハダニ類とは違った性質を持っています。
そのため防除には、ハダニとは違う対策が必要になります。
また、ハダニは植物体上で生活していますが、コナダニは普段土壌中の有機物上に生息しており、それが地上に移って植物を加害するようになります。
よって、収穫後の残渣を取り除くと次発生の軽減ができます。
ホウレンソウケナガコナダニの被害
ホウレンソウケナガコナダニは土壌中で増殖し、ほうれんそうの新芽部を食害します。
新芽や新葉に小さな穴をあけるため、被害を受けた葉は正常に展開できず褐変や光沢を帯びた奇形症状を呈します。
土壌中にホウレンソウケナガコナダニの数が多いと、発芽障害を生じる場合もあります。
また、土壌中に生息し薬剤がかかりにくいことからほうれんそうの難防除雑草に指定されています。
特に春と秋に発生が多いので注意が必要です。
使用できる農薬 (作物名:ホウレンソウ、適用病害虫名:ホウレンソウケナガコナダニ)
土壌処理
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播種前に登録のある土壌処理剤で早めに対処しましょう。
農薬名 | 使用時期 | 使用方法 | 使用量 | 本剤の使用回数 |
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フォース粒剤 | 播種前 | 全面土壌混和 | 9 kg / 10 a | 1 回 |
バスアミド微粒剤 | は種10日前まで | 本剤の所定量を均一に散布して土壌と混和する | 20~30 kg / 10 a | 1 回 |
キルパー | は種または定植の10日前まで | 所定量の薬液を土壌表面に散布し、直ちに混和し被覆する | 60 L / 10 a | 1 回 |
コテツベイト | 播種時~2葉期まで 但し、収穫14日前まで | 全面土壌散布 | 3~6 kg / 10 a | 1 回 |
茎葉散布
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生育期の防除では、ケナガコナダニが土壌から株へ移動する前に行いましょう。
農薬名 | 希釈倍率 | 使用時期 | 本剤の使用回数 |
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エルサン乳剤 | 1000~2000 倍 | 21 日前まで | 1 回 |
スミチオン乳剤 | 2000 倍 | 21 日前まで | 2 回以内 |
アファーム乳剤 | 2000 倍 | 3 日前まで | 2 回以内 |
カスケード乳剤 | 4000 倍 | 3 日前まで | 3 回以内 |
コテツフロアブル | 4000~6000 倍 | ホウレンソウ 2 葉期まで | 1 回 |
ディアナSC | 2500 倍 | 前日まで | 2 回以内 |
モベントフロアブル | 2000 倍 | 14 日前まで | 3 回以内 |
リーフガード顆粒水和剤 | 1500 倍 | 7 日前まで | 2 回以内 |
※ 2021年11月時点での登録内容です。農薬を使用する際には必ずラベルを確認の上ご使用ください。
注目の新剤
:コテツベイト
土壌表層からほうれんそうの株へ移動するコナダニを誘引し、本剤を摂食することによる食毒作用で効果を発揮します。食毒により高い活性を示します
【特長】
有効成分のクロルフェナピルがケナガコナダニに対して優れた活性を示します。
土壌表面に生息するケナガコナダニを薬剤(ベイト)におびき寄せ、摂食させることで効果的に防除できます。
土壌表面に散布するだけでよいので、混和する必要がなく、簡単に処理することができます。
土壌くん蒸剤が使用できなかったり、収穫前に薬剤のドリフトが懸念される場面で使いやすい剤です。
【上手な使い方】
土壌表面に均一になるように散布してください。なお、作物の上から散布しても問題ありません。また、土壌と混和する必要はありません。
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農薬名 | 使用量 | 使用時間 | 使用方法 | 本剤の使用回数 |
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コテツベイト | 3~6 kg / 10 a | 播種時 ~ 2 葉期まで 但し、収穫 14 日前まで | 全面土壌散布 | 1 回 |